穴を埋める事業と山を盛る事業
2020/06/21
世の中に星の数ほどある仕事についてですが、おおざっぱに分けると二つに分けられると思うんです。
穴を埋める事業と山を盛る事業です。
穴を埋めるとは、何か問題が発生したり不具合が起こったりしたことに対応していくことです。出てきた結果に対応するものです。
山を盛るとは、すぐには必要ないけれど、何か改善をしようとして取り組んでいこうとすることです。原因に影響を与え、結果を変更しようとするものです。
世の中の多くの事業は穴を埋めることだと思います。必要に駆られて行うのです。穴があいていれば落ちてけがをする人が出てくるかもしれないので、重要なことです。長期的には有効かもしれないけれど、短期的にすぐに必要ではないような、山を盛る事業は特に現場に近いところでは行われないことが多いと思います。
私は個人的には、穴を埋めるような仕事より、山を盛るような仕事の方が面白いのでは、と思うこともありますが、実際にやってきた仕事は穴を埋めるような仕事が多かったように思います。山を盛るような仕事をあまりやったことがないので、隣の芝生が青く見えるだけかもしれませんが、少々残念にも思っています。
公務員でも、国家公務員なら事情は違うかもしれませんが、地方公務員だと対処療法的にひたすら穴を埋めていくといった仕事に追われることが多いと思います。
公務員の仕事って、目立つわけではないですし、外から見れば何をやっているんだろう、と思われることも多いように思います。実際には目立たないところで懸命に働いていたりします。最近は漫然と働くことができなくなってきて、ほとんどの所属ではゆっくりと働くことはできないです。仕事のできる人のところへはどんどん仕事が集まっていきます。若くて仕事のできる人は給料に見合わないほど多くの仕事をすることになります。
私もそれほど優秀とは言えなかった思いますが、仕事が集まってくる傾向にありました。それで、こなしきれないほどの仕事を抱えてしまって、耐え切れず、病気を発症してしまったのだと思います。ぎりぎりになるまで自分では気づかないのです。それが怖くて、仕事をどんどん引き受ける、ということができないです。
私の場合は病的なものかもしれませんが、心理としては他の公務員のみなさんも似たような傾向にあるのではないでしょうか。お役所仕事、と言われつつも、一度引き受けると断れなくなってずっと仕事を抱え込むことになってしまうので、臆病になっているのです。
穴があいているのは分っていても、すべてを埋めることはできないので、今まで経常的にやってきた穴埋め作業をこなし続ける、といった傾向になってしまうのです。山を盛る仕事はやってみたとして、関連して波及する範囲が大きくなると、事業規模がどんどん膨れ上がっていくかもしれないので、なかなか実行できないか、そもそも、穴を埋める仕事で手いっぱいで山を盛るところまでたどり着けないのでしょう。
将来、AIとロボットが穴埋め事業をすべてやってくれるようになれば状況は変わるかもしれません。AIは怖い、と思う人もいるようですが私は期待もしています。
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